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バレエ作品『エスメラルダ』のあらすじ・どこで観れる?を徹底解説!

『エスメラルダ』といえばタンバリンを持って踊るヴァリエーションが有名ですよね。

少し難しいヴァリエーションですので、いつか踊ってみたい!挑戦してみたいと思っている方も多いかもしれません。

しかし、そのストーリーについては意外と知られていません。

今回はバレエ作品『エスメラルダ』のあらすじやどこで観られるかを徹底解説します!

バレエ作品『エスメラルダ』について

『エスメラルダ』は1831年にヴィクトル・ユーゴーが発表した小説『ノートルダム・ド・パリ』に着想して作られた3幕5場のバレエ作品です。

チェーザレ・プーニの曲にジュール・ペローが振付し、ウィリアム・グリーブが美術、コペール夫人が衣装を担当しました。

1844年3月9日、ロンドンのハー・マジェスティーズ劇場バレエ団により初演さましたが、現在では、ロシア、東ヨーロッパ、そしてアメリカのニュージャージー州以外で全幕の上演が行われることはほとんどありません。

主役であるエスメラルダが登場するパ・ド・ドゥとパ・ド・シスの二場面と、「ディアナとアクティオンのパ・ド・ドゥ」のみをガラ公演にて上演されることが多いです。

そのことから『エスメラルダ』内のヴァリエーションは人気があり有名なので、コンクールでよく踊られることが多いです。

※ガラ公演とは各作品から抜粋されたパ・ド・ドゥや小作品を集めた公演のことです。

バレエ作品『エスメラルダ』登場人物

『エスメラルダ』には数々の魅力的な人物が登場します。

主な登場人物の一覧をご覧ください。

・エスメラルダ美しいジプシーの娘でカジモド、フロロ、フェビュスの3人から思いを寄せられる。

しかし、本人が思いを寄せているのはフェビュスで婚約者がいる。

・カジモド:ノートルダム大聖堂の前に捨てられていたところを聖職者フロロに拾われた醜い外見を持つ男。

成長し、ノートルダムの鐘つき役となる。

・フロロ:カジモドを拾った聖職者で神に仕える身でありながらエスメラルダに思いを寄せ、苦悩している。

・フェビュス:フロロの差し金でカジモドに連れ去られそうになったエスメラルダを助けた夜警隊の隊長。

エスメラルダと恋に落ちるが、実は婚約者がいる。

・フルール:フェビュスの婚約者。

・クロパン悪党浮浪者グループのリーダー

・グランゴワール:詩人、クロパンにより絞首刑になりかけたところをエスメラルダの機転で助けられ、ジプシーの掟に従って仮の夫婦となる。

『エスメラルダ』あらすじ

美しいジプシーの少女エスメラルダは、詩人ピエール・グリンゴワールがジプシーの王に処刑されるのを防ぐため、グリンゴワールと結婚します。

グリンゴワールはエスメラルダに心奪われるが、エスメラルダはこの結婚はあくまでグリンゴワールの命を救うための仮初めのものだとはっきり言い放ちます。

一方、グリンゴワールのみならずノートルダム大聖堂の助祭長クロード・フロロもエスメラルダに執心していました。

フロロの熱の上げようは危険なほど異常で、醜い下男カジモドにエスメラルダを誘拐するよう命じます。

カジモドは通りでエスメラルダに襲いかかるが、エスメラルダはフェビュス率いる衛兵隊に助けられ、カジモドは捕らえられます。

フェビュスはカジモドを拷問にかけようとするが、エスメラルダは自分を襲ったカジモドを釈放してやるよう願い、カジモドはエスメラルダの優しさに深く感動するのでした。

エスメラルダはフェビュスに想いを寄せ、フェビュスもまたエスメラルダに魅了されて婚約者フルール・ド・リスから贈られたスカーフをエスメラルダに与えてしまいます。

翌日、フルール・ド・リスとその母親はフェビュスとの婚約を祝う壮大な祝賀パーティーを開くが、当のフェビュスはエスメラルダのことで頭がいっぱいです。

エスメラルダはパーティーの余興を演じるために呼ばれていましたが、会場でフルール・ド・リスの婚約者がフェビュスであることを知って心を痛めます。

一方のフルール・ド・リスは、自分がフェビュスに贈ったスカーフをエスメラルダが身に着けていることに気づき、フェビュスが他の娘と恋に落ちたことを知ってしまいます。

フルール・ド・リスは大いに怒って婚約を破棄し、フェビュスはエスメラルダと共に去って行きます。

フェビュスはエスメラルダは酒場で愛を誓い合うが、それを居合わせたフロロに盗み聞きされてしまいます。

嫉妬に狂ったフロロは、エスメラルダの部屋から盗み出していた短剣を持って

2人の背後から忍び寄り、フェビュスを突き刺してしまいます。

フロロは警察を呼び、倒れたフェビュスと凶器の短剣を見せると、短剣がエスメラルダのものだと分かり、エスメラルダはフェビュス殺害犯として警察に連行され死刑を宣告されました。

翌朝の夜明けにエスメラルダはフェビュス殺害の罪で絞首刑に処されることになりました。

エスメラルダの友人やグリンゴワールがやってきてエスメラルダに別れを告げ、その様子を見たフロロは勝ち誇っています。

エスメラルダが絞首台に引き出されるが、そこに死んだはずのフェビュスが現れます!

実は刺し傷は致命傷ではなかったのです!フェビュスは真犯人はフロロであり、エスメラルダはまったくの無実だと宣言し、悪事が露見したフロロは短剣を取り、フェビュスたちに襲いかかりますが、カジモドに奪われて刺し殺されます。

こうしてエスメラルダとフェビュスは幸福のうちに再会するのでした。

エスメラルダが登場する『ノートルダムの鐘』について

前述の通り、バレエ作品の『エスメラルダ』は日本では全幕公演を行なっていません。

そのため、プロダンサーが踊る『エスメラルダ』を観るためにはガラ公演でのみです。

しかし、何らかの形で『エスメラルダ』を観てみたいという方も多いでしょう。

バレエ作品ではありませんが、下記のような作品を観ることにより理解を深めることができますので、参考にしてみてくださいね。

ディズニー作品『ノートルダムの鐘』

『ノートルダムの鐘』は1996年にディズニーの長編アニメーション映画として公開されました。

ディズニー版の『ノートルダムの鐘』は見た目は醜いけれど心優しいノートルダムの鐘つき男カジモドが中心となってストーリーが展開されます。

カジモドが、自由を愛し強く生きるジプシーの娘エスメラルダと出会い、初めて友情を知り、そして自らの運命を変えてしまうような冒険に引き込まれていくというお話です。

原作と異なる点はいくつかありますが、強く美しいエスメラルダのキャラクターを知ることができます。

  • どこで観れる?

DVD・ブルーレイ・デジタル配信(ディズニープラス)

劇団四季ミュージカル『ノートルダムの鐘』

日本では劇団四季『ノートルダムの鐘』のミュージカルを上演しています。

バレエ作品やディズニー作品と同様に世界的な文豪であるヴィクトル・ユゴーの代表作『ノートルダム・ド・パリ』に着想して製作されました。

劇団四季が上演するのはディズニー・シアトリカル・プロダクションズが製作し、2014年に米国カリフォルニア州サンディエゴのラ・ホイヤ劇場で初演されたもので、日本での初演は2016年です。

ディズニーの場合はアニメーションですが、劇団四季はミュージカルなので実際に人がエスメラルダを演じている姿を観ることができます。

2023年には6年ぶりに東京公演が5月14日から8月6日まで上演されました。

毎年上演されるわけではないのが残念ですが、上演の際には観てみたいですね。

  • どこで観れる?

2022年 横浜 KAAT神奈川芸術劇場

2023年 東京・JR東日本四季劇場[秋]

※2025年の上演はありません。

まとめ

残念ながらバレエ作品としての『エスメラルダ』は全幕で上演されていませんがディズニー作品やミュージカル作品としてエスメラルダのストーリーやキャラクターを知ることができます。

『エスメラルダ』のヴァリエーションを踊る場合は一度、観ておくとイメージが湧きやすいですね。

強く美しい魅力的なキャラクターであるエスメラルダのヴァリエーションにぜひ挑戦してみてくださいね!

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