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コミカルで華やか!!『ドン・キホーテ』の全幕を徹底解説!

明るくコミカルな『ドン・キホーテ』は誰でも楽しめるバレエ作品です。

バレエらしい華やかなシーンや幻想的なシーンまで、みどころもたくさん!

『ドン・キホーテ』を観る際に、さらに楽しめるよう、あらすじやみどころ、登場するヴァリエーションなどについて詳しく解説していきます!

鑑賞を予定している方や検討中の方は参考にしてみてくださいね!!

ドン・キホーテは実は脇役!?『ドン・キホーテ』について知ろう!!

登場人物が多くドタバタ劇がコミカルな『ドン・キホーテ』

実は主役はドン・キホーテではないんです!

登場人物について良く知っておくとストーリーを理解しやすいので、『ドン・キホーテ』の概要や登場人物について紹介します。

『ドン・キホーテ』の概要

『ドン・キホーテ』(英: Don Quixote)は、セルバンテスによる同名小説を翻案したバレエ作品です。

振付家マリウス・プティパがレオン・ミンクスの楽曲を用いて創作し、1869年12月26日にモスクワのボリショイ劇場で初演されました。

1900年に、振付家アレクサンドル・ゴルスキーが、プティパ版の大幅な改訂を行い、現在上演されている『ドン・キホーテ』の演出のほとんどがゴルスキーによる改訂版を基とされるようになりました。

『ドン・キホーテ』のストーリーはスペインのバルセロナを舞台に、主人公のカップルが親の反対を乗り越えて結婚に至るまでを描いた喜劇が主軸となっています。

そのため、実はタイトル・ロールであるドン・キホーテは脇役として登場します。

クラシック・バレエならではの高度なテクニックやスペイン舞踊、コミカルな演技が取り入れられた華やかな演目となっています。

登場人物

『ドン・キホーテ』には数々の個性豊かな人物が登場します。

主な登場人物の一覧をご覧ください。

・キトリ(主人公の明るく強気な女性でバジルの恋人)

・バジル(キトリの恋人で、床屋の息子)

・ドン・キホーテ(自称「騎士の旅人」)

・サンチョ・パンサ(ドン・キホーテの従者)

・ガマーシュ(街のお金持ちの貴族)

・ロレンツォ(キトリの父親で、金持ちの貴族ガマーシュと結婚させようとしている)

・エスパーダ(闘牛士)

・メルセデス(エスパーダの恋人)

・キトリの友人(キトリと幼なじみ、キトリとバジルを見守ります)

・ドルネシア姫(ドン・キホーテの夢の中に登場するお姫様)

・キューピット

・森の女王

このように『ドン・キホーテ』は登場人物が多い作品です。

これから、あらすじを通して詳しくみていきましょう!!

ドン・キホーテ』第1幕

『ドン・キホーテ』第1幕はプロローグから始まり、賑やかなバルセロナ広場へと場面が変わります。

詳しいあらすじや、みどころ、登場するヴァリエーションなど見逃しがないよう、紹介していきます!

『ドン・キホーテ』第1幕のあらすじ

プロローグはとある村から始まります。

村に住む郷士(ごうし)アロンソ・キハーノは中世の騎士物語に夢中になっていました。

物語に夢中になるあまり、次第に現実と物語の区別がつかなくなってしまったアロンソは、自分が物語の主人公ドン・キホーテだと思い込み、服装から立ちふるまいも中世の騎士のようになっていきます。

そして、ついには空想の人物であるドルネシア姫を探すため、付き人のサンチョ・パンサと共に旅へと出発します。

場面は人々が行き交う活気に満ち溢れた、バルセロナの街の広場へと変わります。
この街では宿屋の看板娘のキトリと床屋の息子バジルが暮らしています

この2人は恋人同士で、いつも一緒ですが、キトリの父親ロレンツオはお金持ちの貴族マーシュとキトリと結婚させようと考えています。

しかし、そんな父親のもくろみも気にせず、キトリはバジルは一層仲良しです。

広場にはエスパーダ(闘牛士)たちが登場し、さらに活気づきます。

そこへやってきた、ドン・キホーテとサンチョ・パンサ。

街の人々は時代遅れの格好をしたドン・キホーテに驚きを隠せません。

そして、ドン・キホーテはキトリをドルネシア姫だと思い込んでしまいます。

そんな中、サンチョ・パンサが盗み食いをしたと勘違いされ、街中が大騒ぎに!

大騒ぎの中、キトリとバジルは街から逃げ出します。

キトリがいないことに気づいたドン・キホーテとサンチョ・パンサは慌てて2人を追いかけます。

『ドン・キホーテ』第1幕のみどころ

『ドン・キホーテ』第1幕のみどころは、賑やかな街で繰り広げられるドタバタ劇(ドタバタは続きます。笑)

バレエにはセリフがありませんが、キトリとバジルの仲の良さや、ドン・キホーテが中世の騎士姿で街に現れるコミカルさなどが描かれています。

また、キトリの父親の思惑も今後のストーリー展開に重要なポイントなので知っておくと展開がわかりやすいでしょう。

『ドン・キホーテ』第1幕のヴァリエーション

『ドン・キホーテ』第1幕に登場に登場するのはキトリのヴァリエーションです。

このヴァリエーションの長さは1分弱と短いですが、脚を素早くあげる、背中を反らせて大きなジャンプをする、連続でターンを回るといった高度なテクニックが含まれます。

また、テクニックをこなすだけでなくキトリの明るく活気のある性格や気の強さなどを表す表現力が必要となります。

中級レベル程度の難易度で、コンクールでも見かける人気のヴァリエーションとなっています。

ドン・キホーテ』第2幕 

『ドン・キホーテ』第2幕ではキトリとバジルは逃げ切ることができるのかと、ドン・キホーテの夢は叶うのかが描かれます。

どちらも展開が気になりますね!

それでは、『ドン・キホーテ』第2幕のあらすじやみどころ、登場するヴァリエーションをみていきましょう!!

『ドン・キホーテ』第2幕のあらすじ

街を後にしたキトリとバジルはジプシーたちが集まる場所までやってきました。

最初はジプシーたちに怪しまれてしまう2人でしたが、駆け落ちをしたことを伝えるとすぐに歓迎の踊りを披露してくれました。

そこへ、ドン・キホーテとサンチョ・パンサもやってきました。

ジプシーによる人形劇を観たドン・キホーテは、劇中に登場した悪役を本物の悪者だと勘違いし倒そうと飛びかかります。

そして、次には風車を悪者だと勘違いし、槍(ヤリ)を持ち突進してしまいます。

風車に舞い上げられたドン・キホーテは気絶してしました・・。

意識を失ったドン・キホーテは夢を見ます(ドン・キホーテの夢の場)

夢の中で森の中にいるドン・キホーテは、探し求めていたドルネシア姫やキューピット、森の女王に出会いました。

探し求めていたドルネシア姫が美しい踊りを披露し、キューピットや森の女王も続けて踊りを披露します。

キューピットに胸を打たれたドン・キホーテはようやく目を覚まします。

そこへ、キトリの父親ロレンツォと貴族のガマーシュがやってきてキトリとバジルの後を追います。

『ドン・キホーテ』第2幕のみどころ

『ドン・キホーテ』第2幕のみどころはなんといっても、ドン・キホーテの夢の中の様子が描かれた「夢の場」のシーンです。

幻想的な森の中で美しいドルネシア姫やキューピット、森の女王が登場します。

発表会ではこの「夢の場」を演目に入れている場合も多く有名で人気のあるシーンとなっています。

『ドン・キホーテ』第2幕のヴァリエーション

『ドン・キホーテ』第2幕の「夢の場」では多くのヴァリエーションが披露されます。

下記は『ドン・キホーテ』の第2幕に登場するヴァリエーションの一覧です。

・ドルネシア姫のヴァリエーション

・キューピットのヴァリエーション

・森の女王のヴァリエーション

上記のヴァリエーションはコンクールや発表会でも、よく踊られています。

特にキューピットのヴァリエーションはお子さまが挑戦しやすいので人気が高いです!

ドン・キホーテ』第3幕

『ドン・キホーテ』第3幕では、これまでのドタバタ劇の結末が描かれます。

それでは、『ドン・キホーテ』第3幕のあらすじやみどころ、登場するヴァリエーションをみていきましょう!!

『ドン・キホーテ』第3幕のあらすじ

街の酒場ではキトリの友人とエスパーダ(闘牛士)とその恋人のメルセデスが踊りを楽しんでいます。

キトリとバジルがそこへ逃げ込んできます。

2人を追いかけてきたロレンツォたちに見つかってしまったキトリは、再びガマーシュとの結婚を強要されてしまいます。

すると、バジルは自殺をはかり周囲を驚かせます。

しかし、実はこれはバジルの作戦で自殺は演技でした。

すっかり腰を抜かしたロレンツォとガマーシュ。

ロレンツォはついに2人の結婚を許すことに!

キトリとバジルの結婚式が行われることになりました!

キトリの友人やエスパーダ、メルセデスも2人の結婚をお祝いし踊りを披露します。

キトリとバジルのパ・ド・ドゥも披露され最後は全員で※コーダを踊り物語は終わりを迎えます。

2人の結婚式を見届けたドン・キホーテとサンチョ・パンサは新たな冒険へと旅立ちます。

バレエにおけるコーダ(Coda)とは、幕の終わりに大団円を迎える部分をさします。

『ドン・キホーテ』第3幕のみどころ

『ドン・キホーテ』第3幕のみどころは、結婚を許してもらうためにバジルが狂言自殺を試みるシーン。

ドキドキな展開から目が離せません。

また、ロレンツォに結婚を許してもらってからは、2人の結婚式が盛大に祝われます。

最大のみどころはなんといってもキトリとバジルのパ・ド・ドゥ。

うっとりするほど華やかで、高いテクニックも次々と披露されます。

中でもコーダで披露されるキトリのグランフェッテは32回転。

このシーンでは会場が最高に盛り上がります。

ぜひ、注目してみてくださいね!!

『ドン・キホーテ』第3幕のヴァリエーション

『ドン・キホーテ』第3幕ではたくさんの有名なヴァリエーションが登場します!

下記は『ドン・キホーテ』の第3幕に登場するヴァリエーションの一覧です。

・キトリの友人第1のヴァリエーション

・キトリの友人第2のヴァリエーション

・キトリのヴァリエーション

・バジルのヴァリエーション

キトリの扇子を持って踊るヴァリエーションはコンクールでもよく踊られる有名で人気の高いヴァリエーションです。

また、バジルのヴァリエーションも有名で人気が高くコンクールでも定番のヴァリエーションとなっています。

バレエ公演について

日本ではバレエの公演に行くことはまだあまり馴染みがないかもしれません。

そのため、敷居が高いと感じてしまうことも多いようです。

しかし、実際は案外気軽に行けるものです。

バレエ公演の基本について紹介しますので、「バレエ公演に行ってみようかな」という方は参考にしてみてください。

バレエ公演のチケット

バレエの公演に行くには、まずチケットが必要です。

チケットの価格はオーケストラ付きの生演奏と、そうでない場合か日本のバレエ団か海外のバレエ団か、全幕公演か※ガラ公演かによって価格は変わります。

※ガラ公演とは各作品から抜粋されたパ・ド・ドゥや小作品を集めた公演のことです。

  • チケットの価格

チケットの価格は大体が3.000円から20,000円くらいの場合が多いです。

  • チケット(座席)の種類

座席は指定になっておりS席、A席、B席、C席のように分かれています。

会場にもよりますが、S席、A席は1階、B席、C席は2階や3階ということが多いです。

1階席は舞台が近く、ダンサーや衣装、舞台の背景など間近で舞台の細かいところまで観ることができます。

2階や3階席も舞台が遠くなってしまいますが、上から見えるので舞台の全体を観ることができるので意外とオススメです。

バレエ公演を観に行く時の服装

実は日本国内のバレエ公演ではドレスコードは決まっていません。

そのため、スーツやドレスなど普段よりドレスアップする必要はありません。

バレエ鑑賞は非日常を味わえる機会なので、せっかくなら少しおしゃれをして行くことをオススメします。

  • オススメの服装

男性 ジャケット、シャツ

女性 ワンピース、スカート(パンツスタイルでもOK)

お子さま (女の子)ワンピースやスカート(男の子)襟付きのシャツ、ポロシャツ等

※マストではありませんが綺麗めな服装がオススメです。

  • 持っていると便利なもの

・オペラグラス

ダンサーの表情や衣装等といった細かい部分も見ることができます。

・ブランケット

会場内は空調が効いている場合が多く、夏には冷房が強く感じることもありますのでブランケットがあると肌寒く感じる時にも安心です。

・A4サイズが入るバッグ

プログラムを購入したり、他の舞台のチラシをいただいたりするので、それらを入れられるA4サイズのバッグがオススメです。

これらのものは必須ではありませんが、持っていると便利なものですので参考にしてみてくださいね。

バレエ公演の鑑賞中マナー

バレエ鑑賞はマナーに厳しいイメージもあるかもしれません。

しかし、基本的に意識したいのは「他の観客の邪魔をしないこと」です。

具体的には下記のことに気をつけます。

・上演中に客席を出入りしない

・上演中にしゃべらない

・物音を立てないようにする

・スマートフォンなどの電子機器の操作(上演中は電源をオフにするのが安心です)

・客席での飲食

・身を乗り出して見ること(後ろの人が見えにくくなってしまうため)

バレエの公演は一度始まってしまうと休憩まで中に入れないこと・外に出られないこともあります。

遅刻してしまった時は休憩までロビーで待たなければならない場合もありますので、時間には余裕を持つようにしましょう。

まとめ

明るく元気なキトリと男気のあるバジルの華やかでダイナミックな恋模様やドン・キホーテとサンチョ・パンサのコミカルな動きから始終、目を離すことができません。

発表会では第2幕の「夢の場」から第3幕のキトリとバジルの結婚式までを演目として取り入れる場合が多いです。

誰でも楽しめる作品となっていますので、バレエの公演を観るのが初めての方も安心して観ることができるオススメの演目です。

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