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華やかさと大人な雰囲気が魅力『パキータ』のあらすじとヴァリエーションを徹底解説!!

華やかな衣装に大人っぽい雰囲気のヴァリエーションが多い『パキータ』

コンクールや小作品集で見かける機会も多く、一度は踊ってみたいヴァリエーションと憧れている方も多いのではないでしょうか。

そんな『パキータ』ですが、全幕公演は珍しく、あらすじや登場人物など実はよく知られてない場合も。

今回は『パキータ』のあらすじや登場人物、登場するヴァリエーションまで徹底解説していきます!!

気になる方は参考にしてみてくださいね!!

『パキータ』について知ろう!!

独特の華がある『パキータ』はフランスで作られた作品です!!

まずは、『パキータ』の概要や登場人物について紹介します。

『パキータ』の概要

『パキータ』 (Paquita) は、1846年にフランスで作られた全2幕3場のバレエ作品です。

原振付はジョゼフ・マジリエ、音楽はエドゥアール・デルデヴェス。

舞台はナポレオン軍占領下のスペインで、ジプシーの娘パキータがフランス軍将校リュシアンを陰謀から救う恋物語となっています。

民族色あふれるスペイン風の踊りやジプシーの踊りが見せ場の1つとなっており、若きマリウス・プティパがロシアで初めて演出を手がけた作品としても知られています。

初演は1846年4月1日にパリの帝室音楽アカデミー(現在のオペラ座)で行われました。

今日ではプティパ版の抜粋(音楽はレオン・ミンクス)が1幕の作品として上演されることが多いですが、まれに全幕公演が行われることもあります。

登場人物

『パキータ』には個性豊かな人物が登場します。

主な登場人物の一覧をご覧ください。

・パキータ(ジプシーの美しい娘・実は貴族の娘)

・リュシアン・デルヴィリ(フランスの伯爵・パキータに恋をする)

・イニゴ(ジプシーのリーダー、パキータを自分のものにしようとする)

・ドン・ロペス(スペイン人の地方監督、フランス人をよく思っていない)

・コント・デルヴィリ(リュシアンの父)

主役はジプシーの娘として育てられたパキータです。

フランス軍将校リュシアンとの恋物語がストーリーの主軸となっています。

『パキータ』全2幕のあらすじを知ろう!!

全幕公演が珍しく、実はそのストーリーはあまり知られていないのが『パキータ』

しかし、あらすじを理解しておくことで役の表現がしやすくなりますね。

『パキータ』の第1幕と第2幕のあらすじを紹介していきます。

『パキータ』第1幕のあらすじ

舞台はサラゴサ郊外の谷間。

デルヴィリ将軍と息子のリュシアン、総督ロペス、ロペスの妹セラフィナらが集まっていました。

戦役で権力者となったデルヴィリ伯爵は、息子を総督の妹と縁組させようとしていますが、リュシアンは愛情を感じないセラフィナとの結婚には気乗りしていない様子。

ロペスもまた自国に攻め込んできたフランス人たちを心密かに憎んでいました。

その時、イニゴの率いるジプシーの一団が山から下ってきます。

この中にジプシーらしからぬ雰囲気のパキータがいました。

リュシアンは一瞬で彼女に惹きつけられますが、一方でイニゴ(ジプシーのリーダー)も以前からパキータに好意を抱いていました。

そのため、リュシアンに対して激しく嫉妬するイニゴ。

2人は衝突しそうになりますが、総督のとりなしで何とかその場は収まります。

イニゴがリュシアンに敵意を抱いていることを見てとった総督ロペスは、イニゴを雇ってリュシアンを暗殺する計画を思いつきます。

『パキータ』第2幕のあらすじ

シーンはジプシーの集落。

パキータは昼間に出会った将校リュシアンが忘れられず思い悩んでいます。

そこへ、仮面をつけたロペスとイニゴが現れたことで、リュシアン暗殺の計画を知ってしまったパキータは驚き、なんとか計画を阻止したいと考えます。

やがてリュシアンがやってきて、食事と一緒に毒が入ったお酒を渡されます。

パキータはなんとかリュシアンにお酒を飲ませないようにし、パキータの様子がおかしいことにリュシアン気づきます。

そして、パキータは一瞬の隙をついてイニゴとリュシアンのお酒を入れ替えました。

すると、毒入りのお酒を飲んでしまったイニゴは倒れこんでしまいます。

その隙に、2人は逃げ出しその場を後にするのでした・・。

上手く逃げ出すことができた2人はフランス将軍主催の舞踏会に参加します。

そこにはイニゴとリュシアン暗殺計画を企てたロペスがいました。

パキータがロペスに気づいたことで、ロペスは連行されていきます。

リュシアンは自分の命を救ってくれたパキータに求婚しますが、パキータはどうしても身分の差が気になってしまいます。

そんな時、壁に飾られた肖像画がパキータの目に入ります。

その肖像画はパキータが幼い頃からずっとつけていたロケットペンダントの中の肖像画と同じものだったのです!

その肖像画の人物はリュシアンの叔父であるシャルル・デルヴィイーでした。

実はパキータはシャルル・デルヴィイーの娘で、リュシアンとはいとこ同士であることが判明しました。

パキータの身分が明らかになり身分の差がなくなった2人は晴れてめでたく結ばれます。

『パキータ』に登場するヴァリエーションはいくつある!?ヴァリエーションまとめ

実は『パキータ』に登場するヴァリーションの数は正確には決まっていません。

プティパのオリジナルの演出ではパキータのヴァリエーションは7つとなっていましたが、再演や改訂が繰り返される中でヴァリエーションが追加や変更されていきました。

その影響もあり現在では、数多くのパターンのヴァリエーションが踊られています。

『パキータ』に登場するパ・ド・トロワとヴァリエーションについて紹介します。

『パキータ』に登場するパ・ド・トロワ

パ・ド・トロワとは女性2人と男性1人が踊ることです。

『パキータ』に登場するパ・ド・トロワ の一覧は下記の通りです。

・パ・ド・トロワ 第1ヴァリエーション(パ・ド・トロワの中の女性が踊るヴァリエーション)

・パ・ド・トロワ 第2ヴァリエーション(パ・ド・トロワの中の女性が踊るヴァリエーション)

・パ・ド・トロワ 第3ヴァリエーション(パ・ド・トロワの中の男性が踊るヴァリエーション)

『パキータ』のパ・ド・トロワに登場するヴァリエーションは発表会やコンクールで見かけることが多い人気のものとなっています!

『パキータ』に登場するヴァリエーション

ヴァリエーションの数が多いのも『パキータ』のみどころの1つです!

全幕公演は珍しく、公演によって演出も異なり登場するヴァリエーションも様々な場合があり、使用されている曲も様々な作品から引用されています。

『パキータ』に登場する可能性の高いヴァリエーションの一覧を紹介します!

※カッコ内はヴァリエーションに使用される音楽です。

・第1ヴァリエーション(リッカルド・ドリゴ作曲の「泉」)

・第2ヴァリエーション(チェーザレ・プニ作曲の「ナイアードと漁夫」)

・第3ヴァリエーション(リッカルド・ドリゴ作曲の「カウンダウル王」よりニシアのヴァリエーション)

・第4ヴァリエーション(「ドン・キホーテ」よりキューピットのヴァリエーション)

・第5ヴァリエーション(ニコライ・チェレプニン作曲の「アルミードの館」)

・第6ヴァリエーション(『パキータ』よりエトワールのヴァリエーション)

・第7ヴァリエーション(ユリー・ガーバー作曲の「トリルビ」)

・第8ヴァリエーション(『パキータ』よりリュシアンのヴァリエーション)

・第9ヴァリエーション(『パキータ』 よりエカテリーナ・ヴァーゼムのバリエーション)

『パキータ』特に有名・人気のヴァリエーション

上記で紹介したヴァリエーションの中でも特に有名で人気のあるヴァリエーションについて詳しく解説します。

ヴァリエーション選びの参考にしてみてくださいね!!

  • ・パ・ド・トロワ 第1ヴァリエーション(パ・ド・トロワの中の女性が踊るヴァリエーション)

回転系のテクニックから跳躍系のものまでまんべんなく入っているのがこのヴァリエーションです。

そのため、ヴァリエーションを踊る初心者にもオススメです。

曲の早さもそこまで早くないので練習しやすいでしょう。

  • ・第6ヴァリエーション(『パキータ』よりエトワールのヴァリエーション)

コンクールや発表会で良く目にする『パキータ』の有名なヴァリエーションは第6ヴァリエーション(エトワール)です。

バレエダンサーには階級があり最高位はプリンシパルといわれていますが、パリ・オペラ座ではエトワール(フランス語で星の意)と称されています。

このことからパキータ第2幕で結婚の喜びを表すソロの踊りは「パキータ エトワール』のヴァリエーションと呼ばれています。

  • ・第8ヴァリエーション(『パキータ』よりリュシアンのヴァリエーション)

男性の主役であるリュシアンのヴァリエーションは難易度の高いテクニックが組み込まれており中級者以上向けのレベルとなっています。

『ドン・キホーテ』のバジルにも似たコンビネーションで前半は跳躍系、後半は回転系の動きで構成されているので、まんべんなくテクニックをこなす必要があります。

バレエ公演について

日本ではバレエの公演に行くことはまだあまり馴染みがないかもしれません。

そのため、敷居が高いと感じてしまうことも多いようです。

しかし、実際は案外気軽に行けるものです。

バレエ公演の基本について紹介しますので、「バレエ公演に行ってみようかな」という方は参考にしてみてください。

バレエ公演のチケット

バレエの公演に行くには、まずチケットが必要です。

チケットの価格はオーケストラ付きの生演奏と、そうでない場合か日本のバレエ団か海外のバレエ団か、全幕公演か※ガラ公演かによって価格は変わります。

※ガラ公演とは各作品から抜粋されたパ・ド・ドゥや小作品を集めた公演のことです。

  • チケットの価格

チケットの価格は大体が3.000円から20,000円くらいの場合が多いです。

  • チケット(座席)の種類

座席は指定になっておりS席、A席、B席、C席のように分かれています。

会場にもよりますが、S席、A席は1階、B席、C席は2階や3階ということが多いです。

1階席は舞台が近く、ダンサーや衣装、舞台の背景など間近で舞台の細かいところまで観ることができます。

2階や3階席も舞台が遠くなってしまいますが、上から見えるので舞台の全体を観ることができるので意外とオススメです。

バレエ公演を観に行く時の服装

実は日本国内のバレエ公演ではドレスコードは決まっていません。

そのため、スーツやドレスなど普段よりドレスアップする必要はありません。

バレエ鑑賞は非日常を味わえる機会なので、せっかくなら少しおしゃれをして行くことをオススメします。

  • オススメの服装

男性 ジャケット、シャツ

女性 ワンピース、スカート(パンツスタイルでもOK)

お子さま (女の子)ワンピースやスカート(男の子)襟付きのシャツ、ポロシャツ等

※マストではありませんが綺麗めな服装がオススメです。

  • 持っていると便利なもの

・オペラグラス

ダンサーの表情や衣装等といった細かい部分も見ることができます。

・ブランケット

会場内は空調が効いている場合が多く、夏には冷房が強く感じることもありますのでブランケットがあると肌寒く感じる時にも安心です。

・A4サイズが入るバッグ

プログラムを購入したり、他の舞台のチラシをいただいたりするので、それらを入れられるA4サイズのバッグがオススメです。

これらのものは必須ではありませんが、持っていると便利なものですので参考にしてみてくださいね。

バレエ公演の鑑賞中マナー

バレエ鑑賞はマナーに厳しいイメージもあるかもしれません。

しかし、基本的に意識したいのは「他の観客の邪魔をしないこと」です。

具体的には下記のことに気をつけます。

・上演中に客席を出入りしない

・上演中にしゃべらない

・物音を立てないようにする

・スマートフォンなどの電子機器の操作(上演中は電源をオフにするのが安心です)

・客席での飲食

・身を乗り出して見ること(後ろの人が見えにくくなってしまうため)

バレエの公演は一度始まってしまうと休憩まで中に入れないこと・外に出られないこともあります。

遅刻してしまった時は休憩までロビーで待たなければならない場合もありますので、時間には余裕を持つようにしましょう。

まとめ

発表会や小作品集では第2幕の舞踏会の様子のみが描かれていることが多く、全幕公演は珍しい印象です。

しかしながら、まれに全幕公演が行われる場合も・・。

その際にあらすじやみどころを把握しておくことで見逃しがなく、より『パキータ』を楽しめそう!!

たくさんのヴァリエーションが登場しますので、何のヴァリエーションを踊るか考え中の方にもぴったりの演目となっています。

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