バレエ公演 マナー

  1. ロマンティク・バレエの代表作!「ジゼル」の全幕を徹底解説!

    パリ・オペラ座にて初演されたロマンティック・バレエの代表作『ジゼル』。

    現在では世界中で上演されているバレエ作品です。

    死後の世界が描かれるなど衝撃的な設定ですが、幻想的な世界観は観るものを引き込みます。

    今回は『ジゼル』のあらすじやみどころを徹底解説します!

    『ジゼル』について

    『ジゼル』は1841年にパリ・オペラ座で初演されました。

    『ジゼル』を発案し構想を考えたのは、詩人で作家でもあるテオフィル・ゴーティエです。

    舞踊評論家でもあったゴーティエは、ハインリヒ・ハイネの著作『ドイツ論』に登場する民間伝承に着想を得て、バレエの台本を書こうと考えました。

    その民間伝承の内容は「結婚前に死んだ若い女たちが「ウィリ」という幽霊になり、生前手に入らなかったダンスの喜びを味わうために若い男を捕まえて死ぬまで踊らせる」というものでした。

    パリ・オペラ座での初演が成功を収め、ミラノ・スカラ座(イタリア)やニューヨークなどで上演されました。

    パリ・オペラ座での上演が途絶えたのちはロシアで継承されるなど、現在まで語り継がれロマンティック・バレエの代表作となっています。

    ※ロマンティックバレエとは・・・文学・芸術において流行したロマン主義の影響を受けて1830年代〜1840 年代に最盛期を迎えたバレエのスタイル及び作品のことです。

    登場人物

    『ジゼル』には数々の魅力的な人物が登場します。

    主な登場人物の一覧をご覧ください。

    ・ジゼル (村娘)
    アルブレヒト(身分を隠して村人を装っているが実は公爵)
    バティルド(アルブレヒトの婚約者)
    ・ヒラリオン(森番の青年でジゼルに想いをよせている)
    ・クルランド大公
    ・ベルト(ジゼルの母親)
    ・ミルタ(妖精ウィリの女王)

    『ジゼル』全2幕

    『ジゼル』は全2幕と他のバレエ作品に比べ短いように思いますが、第1幕は村で開催されているブドウの収穫祭の様子、第2幕は精霊ウィリたちが登場する死後の世界が表現されるなど他のバレエ作品にはない雰囲気を味わうことができる作品です。

    幕ごとのあらすじやみどころを紹介していきますので、これから『ジゼル』を観られる方は参考にしてみてくださいね。

    『ジゼル』第1幕

    『ジゼル』第1幕のあらすじやみどころ、踊られるヴァリエーションを紹介します。

    • 《あらすじ》

    舞台は中世ドイツのとある村。

    病弱ながら踊りが好きなジゼルはアルブレヒトと恋人同士。

    しかし、アルブレヒトは身分を偽っており、本当は公爵という身分です。

    ジゼルに想いをよせている森番のヒラリオンアルブレヒトを疑い、その正体に疑念を抱いています。

    村ではブドウの収穫祭が行われ、収穫祭の女王にジゼルが選ばれジゼルは村人たちと楽しそうに踊ります。

    病弱なジゼルを案じたベルト(ジゼルの母)はジゼルに踊りに夢中になっていると、死後に精霊ウィリとなって踊り続けることになってしまう」と伝説を語ります。

    そして、クルランド大公とその娘のバティルドが狩りのために村を訪れました。

    そこへヒラリオンが現れアルブレヒトは公爵であり、バティルドの婚約者であることも暴露してしまいます。

    真実を知ったジゼルはショックのあまり、正気を失い命を絶ってしまいます。

    • 《みどころ》

    病弱ながら健気に踊るジゼルの姿が印象的です。

    しかし、第1幕最大のみどころはアルビレヒトに婚約者がいることを知ったジゼルの「狂乱の場」です。

    実はこの「狂乱の場」では踊りの振り付けはなく、ジゼル役のダンサーの演技が重要な場面。

    この場面では胸が痛くなる方や、ジゼルが命を落としてしまう場面では涙するという方も多いようです・・。

    • 《ヴァリエーション》

    ペザントのヴァリエーション(収穫を祝う踊りで「ペザント」とは農民を意味します)

    ・ジゼルのヴァリエーション

    ・アルブレヒトのヴァリエーション

    『ジゼル』第2幕

    『ジゼル』第2幕のあらすじやみどころ、踊られるヴァリエーションを紹介します。

    《あらすじ》

    ジゼルのお墓がある森の夜。

    女王ミルタが率いるウィリ(結婚を前にして死んでしまった若い乙女たちの精霊)たちが現れます。

    ジゼルはお墓から呼び出されウィリたちに迎え入れられます。

    そこへ、ヒラリオンとアルブレヒトはジゼルのお墓に現れます。

    ウィリたちに捕まってしまったヒラリオンは踊らされた上に命を落としてしまいます。

    女王ミルタの命令によりアルブレヒトも踊らされることに・・。

    しかし、ジゼルはアルブレヒトの命を守ろうとかばいます。

    やがて夜が明けて朝の鐘が鳴り響くと、ウィリたちとジゼルは姿を消します。

    永遠の別れを告げ消え去ったジゼルのお墓の前にアルブレヒトは取り残されてしまいます。

    《みどころ》

    ウィリの女王であるミルタのソロは人間ではないことを思わせる振り付けとなっており、圧巻の存在感を放っています。

    また、ウィリたちの踊りは精霊として個性を持たない設定であるため立ち位置、脚を上げる角度、顔の向きなど、全ての動きをぴったりそろえる必要があります。

    一糸乱れぬウィリのコールド(群舞)は『ジゼル』のみどころの一つです。

    また、ジゼルとアルブレヒトのパ・ド・ドゥは死後の世界であることから重量を感じさせないリフトがウィリとなってしまったジゼルを表しています。

    ミルタやウィリたちからアルブレヒトを守ろうとするジゼルの姿も涙を誘います。

    《ヴァリエーション》

    ・ウィリの女王ミルタのソロ(厳密にはヴァリエーションではなくソロ)
    ・ジゼルのヴァリエーション
    ・アルブレヒトのヴァリエーション

    バレエ公演について

    日本ではバレエの公演に行くことはまだあまり馴染みがないかもしれません。

    そのため、敷居が高いと感じてしまうことも多いようです。

    しかし、実際は案外気軽に行けるものです。

    バレエ公演の基本について紹介しますので、「バレエ公演に行ってみようかな」という方は参考にしてみてください。

    バレエ公演のチケット

    バレエの公演に行くには、まずチケットが必要です。

    チケットの価格はオーケストラ付きの生演奏と、そうでない場合か日本のバレエ団か海外のバレエ団か、全幕公演か※ガラ公演かによって価格は変わります。

    ※ガラ公演とは各作品から抜粋されたパ・ド・ドゥや小作品を集めた公演のことです。

    • チケットの価格

    チケットの価格は大体が3.000円から20,000円くらいの場合が多いです。

    • チケット(座席)の種類

    座席は指定になっておりS席、A席、B席、C席のように分かれています。

    会場にもよりますが、S席、A席は1階、B席、C席は2階や3階ということが多いです。

    1階席は舞台が近く、ダンサーや衣装、舞台の背景など間近で舞台の細かいところまで観ることができます。

    2階や3階席も舞台が遠くなってしまいますが、上から見えるので舞台の全体を観ることができるので意外とオススメです。

    バレエ公演を観に行く時の服装

    実は日本国内のバレエ公演ではドレスコードは決まっていません。

    そのため、スーツやドレスなど普段よりドレスアップする必要はありません。

    バレエ鑑賞は非日常を味わえる機会なので、せっかくなら少しおしゃれをして行くことをオススメします。

    • オススメの服装

    男性 ジャケット、シャツ

    女性 ワンピース、スカート(パンツスタイルでもOK)

    お子さま (女の子)ワンピースやスカート(男の子)襟付きのシャツ、ポロシャツ等

    ※マストではありませんが綺麗めな服装がオススメです。

    • 持っていると便利なもの

    ・オペラグラス

    ダンサーの表情や衣装等といった細かい部分も見ることができます。

    ・ブランケット

    会場内は空調が効いている場合が多く、夏には冷房が強く感じることもありますのでブランケットがあると肌寒く感じる時にも安心です。

    ・A4サイズが入るバッグ

    プログラムを購入したり、他の舞台のチラシをいただいたりするので、それらを入れられるA4サイズのバッグがオススメです。

    これらのものは必須ではありませんが、持っていると便利なものですので参考にしてみてくださいね。

    バレエ公演の鑑賞中マナー

    バレエ鑑賞はマナーに厳しいイメージもあるかもしれません。

    しかし、基本的に意識したいのは「他の観客の邪魔をしないこと」です。

    具体的には下記のことに気をつけます。

    ・上演中に客席を出入りしない

    ・上演中にしゃべらない

    ・物音を立てないようにする

    ・スマートフォンなどの電子機器の操作(上演中は電源をオフにするのが安心です)

    ・客席での飲食

    ・身を乗り出して見ること(後ろの人が見えにくくなってしまうため)

    バレエの公演は一度始まってしまうと休憩まで中に入れないこと・外に出られないこともあります。

    遅刻してしまった時は休憩までロビーで待たなければならない場合もありますので、時間には余裕を持つようにしましょう。

    まとめ

    ペザントやジゼルの踊りは発表会やコンクールで踊られることが多い有名なバリエーション。

    ジゼルは高度なテクニックだけでなく感情の表現も求められる高度なヴァリエーションとなっています。

    そのため全幕観ておくことで、よりジゼルの感情を理解できそうですね。

    興味がある方はぜひ、ジゼルの全幕を観てみてくださいね。

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  2. 舞台が魔法に包まれる!?バレエ版『アラジン』を徹底解説!!

    ディズニーが製作したアニメーション映画として有名な『アラジン』

    最近では、バレエ版が上演され話題となっています。

    そのため、バレエ版『アラジン』が気になっているという方も多いでしょう。

    今回はバレエ版『アラジン』のあらすじや登場人物、どこで観られるのかなどを徹底解説していきます!

    『アラジン』を観てみたいという方は参考にしてみてくださいね!!

    バレエ版『アラジン』について知ろう!!

    バレエ版『アラジン』はどういった作品なのでしょうか。

    概要や使用されている音楽についてや登場人物などについて紹介します。

    バレエ版『アラジン』の概要

    2008年11月にバレエ版の『アラジン』(Aladdin)が新国立劇場バレエ団にて初演されました。

    全3幕10場のバレエ作品で、振付はデヴィッド・ビントレー、音楽はカール・デイヴィスが製作を担当しています。

    本作はビントレーが新国立劇場バレエ団のために創作したオリジナル作品で、高評価を得たため同バレエ団のレパートリーとして定着しています。

    日本国外ではバーミンガム・ロイヤル・バレエ団(2013年)やヒューストン・バレエ団(2014年)がレパートリーに加えて上演を行なっています。

    バレエ版『アラジン』の音楽について

    ディズニーのアニメーション映画のイメージが強い『アラジン』ですが、バレエ版では映画・テレビ・舞台音楽の作曲家として知られるカール・デイヴィスが製作を担当しました。

    デイヴィスが作曲した『アラジン』はユーモアと色彩が随所に散りばめられた、まるで映画音楽のような作品となりました。

    中国やモロッコ、その他の地域の要素が幅広く取り入れられており、太鼓(ライオンダンスやドラゴンダンスを表現)や※5音音階旋律(東アジア)、北アフリカのリズムなどが用いて『アラジン』の世界を描写しています。

    ※5音音階旋律・・・1オクターブに5つの音が含まれる音階のことです。

    東アジア(日本、朝鮮半島、中国(漢民族)、モンゴル、チベット、ブータンなど)、東南アジア、アフリカ、南アメリカの音楽では、1オクターブの音域内で5つの音を持つ音階に基づくものがあります。

    登場人物

    どんな登場人物が登場するのかも気になりますよね!?

    バレエ版『アラジン』の登場人物一覧は下記の通りです。

    • ・アラジン

    やんちゃで好奇心が強く勇気のある若者。

    出会いやさまざまな試練によって、人間として大きく成長し、真実の愛を知ります。

    • ・プリンセス

    名前はバドル・アドブダル(アラビア語)で、その意味は「満月の中の満月」を意味します。

    退屈な日々に飽き飽きしていた彼女は、アラジンの大胆さに魅せられて恋に落ちます。

    • ・ランプの精ジーン

    古ぼけたランプの中に閉じ込められていた魔神で、強大な魔力を持っていますが、ランプの持ち主には逆らえません。

    • ・マグリブ人

    邪悪な気質の魔術師で、ランプの精ジーンを手に入れようとさまざまな策を巡らせています。

    • ・サルタン

    プリンセスの父で王国の王様

    • ・アラジンの母

    女手一つでアラジンを育て上げました。

    アラジンと母は中国からの移住者という設定となっています。

    • ・その他

    アラジンの友人たち、金・銀・宝石たち、商人たち、王宮の人々、砂漠の風など。

    ディズニー版『アラジン』とは異なる登場人物や設定となっている場合があるので、あらかじめ予習しておくと、よりバレエ版『アラジン』に理解を深められそうですね。

    気になるバレエ版『アラジン』の全幕のあらすじを解説!!

    バレエ版『アラジン』は全3幕10場で構成されています。

    新国立劇場バレエ団で予定されている上演時間は 約2時間45分(第1幕55分 休憩25分 第2幕35分 休憩20分 第3幕30分)となっています。

    バレエ版『アラジン』全幕のあらすじをみていきましょう!!

    バレエ版『アラジン』第1幕のあらすじ

    バレエ版『アラジン』のあらすじをプロローグと1場から5場まで解説していきます!!

    プロローグ

    邪悪な魔術師マグリブ人が登場し、手の届かないところに存在する古ぼけたランプを物欲しげに凝視しています。

    第1幕1場『昔むかしのアラビアの市場』

    賑わっている市場の中にアラジンが現れます。

    やんちゃでいたずら好きな彼はいつも問題を起こしており、宮殿の警備隊に捕縛されてしまいます。

    マグリブ人は魔法でアラジンの窮地を救ってあげ、「自分の仕事を手伝わないか」と誘いかけ、財宝に眼がくらんだアラジンはその誘いを受け入れます。

    第1幕2場『砂漠への旅』

    強い風に運ばれてアラジンとマグリブ人は砂漠にたどり着きます。

    アラジンはマグリブ人に「自分がなくしたランプを洞窟の中へ取りに行くように」と命じられます。

    恐れをなして逃げようとするアラジンでしたが、マグリブ人は押しとどめ、絶世の美女の幻影を魔法で呼び出し、「洞窟の財宝があれば、あの美女を自分のものにすることが叶う」と告げアラジンをそそのかします。

    第1幕3場『財宝の洞窟』

    洞窟に下りたアラジンは、たくさんの宝石の山を見つけます。

    彼は大喜びでポケットに宝石を詰め込みますが、マグリブ人の言いつけを思い出して古ぼけたランプを探し出すことに成功します。

    マグリブ人は洞窟から出ようとするアラジンを押しとどめ、「まず、ランプをよこせ」と命じました。

    アラジンが抵抗すると、マグリブ人は怒り、出口の扉を閉めてしまいます。

    アラジンは闇の中で出口を探しますが見つけることができません。

    そのとき、アラジンはランプの存在を思い出すのでした。

    第1幕4場『アラジンの家』

    アラジンの母はなかなか帰ってこない息子のことを心配しています。

    そこへアラジンが現れ、今までの冒険について母に打ち明けますが、なかなか信じてもらえません。

    そこでアラジンがランプをこすって見せると、ランプの精ジーンが洞窟の財宝と共に登場します。

    第1幕5場『王宮の外』

    市場の方からサルタンの娘、プリンセス・バドル・アドブダル が宮殿内の浴場に向かっていることを知らせるファンファーレが聞こえます。

    高貴な身分であるプリンセスの姿を見ることは禁じられているので、人々はひざまずいて目をつぶります。

    アラジンのみがこっそりと垣間見ると、プリンセスこそが、幻影で見た美女であることに気づきます。

    バレエ版『アラジン』第2幕のあらすじ

    バレエ版『アラジン』第2幕は1〜2場となっています。

    それぞれ、詳しく解説していきます!!

    第2幕1場『浴場』

    プリンセスに一目惚れしたアラジンは、捕まれば死刑になるとわかっていながらも、彼女が身を清めている浴場に忍び込みます。

    プリンセスはアラジンの存在に気づき、彼の大胆さに心惹かれますが、宮殿の警備隊が駆けつけ、アラジンを捕縛してしまいます。

    第2幕2場『宮廷』

    アラジンはプリンセスを覗き見た罪で宮廷に設けられた法廷に引き出されてしまいます。

    プリンセスはアラジンが助かるようお願いしますが、即刻死刑の宣告がなされます。

    その時です!傍聴席にいたアラジンの母が進み出て許しを請い、隙を見てアラジンにランプを渡しました。

    するとランプの精ジーンが法廷に現れ、大混乱を引き起こします。

    その騒ぎが沈静化すると立派な身なりに変身したアラジンの姿が。

    アラジンは大勢の奴隷を従えてサルタンの前に立ちます。

    奴隷たちはたくさんの財宝をサルタンに献上し、サルタンは大喜びでアラジンをプリンセスにふさわしい若者と認めるのでした。

    2人の結婚式が盛大に行われ、たくさんの人々が祝福するが首相(正体はマグリブ人)のみは祝宴に参加していません。

    マグリブ人はアラジンがランプの精ジーンの主人になっていることに気づいたのです!!

    そして、ランプを手に入れるための作戦を考え始めるのでした。

    バレエ版『アラジン』第3幕のあらすじ

    バレエ版『アラジン』第3幕は1〜3場となっています。

    それぞれ、詳しく解説していきます!

    第3幕1場『王宮の一室』

    アラジンとプリンセスは夫婦となり、王宮で新婚生活を始めます。

    2人がチェスを楽しんでいると、アラジンの友人たちが訪れました。

    アラジンは誘いに応じて彼らと狩りに出かけ、プリンセスが一人残されます。

    そこへ物乞いに変装したマグリブ人が「古いランプを新しいランプと交換します」と呼びかけるのを聞いたプリンセスはランプを渡してしまいます。

    すると、マグリブ人は正体を現し、ランプの精ジーンに自らとプリンセスをモロッコにあるハーレムに連れて行くように命じてしまいます。

    第3幕2場『魔術師マグリブ人のハーレム』

    ハーレムに幽閉されてしまったプリンセスは自分の運命を嘆き、自決しようとしますが、アラジンが彼女のもとにたどり着きます。

    アラジンが持ってきた眠り薬を彼女に渡すと、「マグリブ人に飲ませるように」と告げて姿を隠します。

    マグリブ人が戻ってくると、プリンセスは踊りを披露し、喉の渇きを訴えました。

    マグリブ人は2人分の酒を用意していると、隠れていたアラジンが現れ、てマグリブ人の気を逸らします。

    その間に、プリンセスは眠り薬をマグリブ人の酒に注ぐと、その酒を飲み干したマグリブ人は体の異変に気づき、ランプの精ジーンを呼びだそうとします。

    しかし、アラジンはそれを妨げ、マグリブ人を打ち負かすのでした。

    第3幕3場『アラジン国へ帰る』

    ジーンはアラジンとプリンセスのために魔法の絨毯を用意し、2人はそれに乗って故郷へ帰還し、家族と再会を果たします。

    多くの試練を乗り越え真実の愛に目覚め、人間としても大きく成長したアラジンは、プリンセスを2度と1人にしないと誓いを立てます。

    そしてアラジンはジーンを解放し、ジーンはその計らいに感謝し、遠く彼方へと飛び去って行きました。

    冒険を終えたアラジンとプリンセスは、国民たちから歓喜と祝福をもって迎えられ物語は幕を閉じます。

    舞台版の『アラジン』はどこで観れる?舞台版を上演する場所を紹介

    舞台の上で繰り広げられる魔法の数々を見てみたい!という方も多いでしょう。

    現在、舞台で『アラジン』を観られるのは、バレエ版を上演している新国立劇場バレエ団と、ミュージカル版を上演している劇団四季となっています。

    それぞれ、詳しく紹介していくので参考にしてみてくださいね!!

    バレエ版『アラジン』が観られるのは新国立劇場バレエ団

    バレエ版『アラジン』は概要でも紹介した通り、新国立劇場バレエ団のために創作されたオリジナル作品です。

    そのため、公演を観られるのは新国立劇場となっています。

    2024年は新国立劇場で、6月14 日から6月23日の間で上演されました。

    新国立劇場以外では7月6日と7日の2日間で上演されています。

    『アラジン』は人気作品として新国立劇場バレエ団のレパートリーに定着していますので、毎年上演される可能性が高いですね。

    ミュージカル版『アラジン』が観られるのは劇団四季

    ミュージカル版『アラジン』を上演しているのは劇団四季です。

    『アラジン』は数多くある劇団四季の演目の中でも人気がありロングラン上演となっています。

    ストーリーはズニーアニメーション映画『アラジン』が元となっており、音楽も映画と同様にアラン・メンケンの曲が使用されています。

    登場人物の名前も映画と同じになっていますので、映画を観たことがある人なら観やすい作品となっています。

    上演場所は東京の電通四季劇場「海」で2024年は7月2日から2025年6月29日までの上演スケジュールが決まっています。

    バレエ公演について

    日本ではバレエの公演に行くことはまだあまり馴染みがないかもしれません。

    そのため、敷居が高いと感じてしまうことも多いようです。

    しかし、実際は案外気軽に行けるものです。

    バレエ公演の基本について紹介しますので、「バレエ公演に行ってみようかな」という方は参考にしてみてください。

    バレエ公演のチケット

    バレエの公演に行くには、まずチケットが必要です。

    チケットの価格はオーケストラ付きの生演奏と、そうでない場合か日本のバレエ団か海外のバレエ団か、全幕公演か※ガラ公演かによって価格は変わります。

    ※ガラ公演とは各作品から抜粋されたパ・ド・ドゥや小作品を集めた公演のことです。

    • チケットの価格

    チケットの価格は大体が3.000円から20,000円くらいの場合が多いです。

    • チケット(座席)の種類

    座席は指定になっておりS席、A席、B席、C席のように分かれています。

    会場にもよりますが、S席、A席は1階、B席、C席は2階や3階ということが多いです。

    1階席は舞台が近く、ダンサーや衣装、舞台の背景など間近で舞台の細かいところまで観ることができます。

    2階や3階席も舞台が遠くなってしまいますが、上から見えるので舞台の全体を観ることができるので意外とオススメです。

    バレエ公演を観に行く時の服装

    実は日本国内のバレエ公演ではドレスコードは決まっていません。

    そのため、スーツやドレスなど普段よりドレスアップする必要はありません。

    バレエ鑑賞は非日常を味わえる機会なので、せっかくなら少しおしゃれをして行くことをオススメします。

    • オススメの服装

    男性 ジャケット、シャツ

    女性 ワンピース、スカート(パンツスタイルでもOK)

    お子さま (女の子)ワンピースやスカート(男の子)襟付きのシャツ、ポロシャツ等

    ※マストではありませんが綺麗めな服装がオススメです。

    • 持っていると便利なもの

    ・オペラグラス

    ダンサーの表情や衣装等といった細かい部分も見ることができます。

    ・ブランケット

    会場内は空調が効いている場合が多く、夏には冷房が強く感じることもありますのでブランケットがあると肌寒く感じる時にも安心です。

    ・A4サイズが入るバッグ

    プログラムを購入したり、他の舞台のチラシをいただいたりするので、それらを入れられるA4サイズのバッグがオススメです。

    これらのものは必須ではありませんが、持っていると便利なものですので参考にしてみてくださいね。

    バレエ公演の鑑賞中マナー

    バレエ鑑賞はマナーに厳しいイメージもあるかもしれません。

    しかし、基本的に意識したいのは「他の観客の邪魔をしないこと」です。

    具体的には下記のことに気をつけます。

    ・上演中に客席を出入りしない

    ・上演中にしゃべらない

    ・物音を立てないようにする

    ・スマートフォンなどの電子機器の操作(上演中は電源をオフにするのが安心です)

    ・客席での飲食

    ・身を乗り出して見ること(後ろの人が見えにくくなってしまうため)

    バレエの公演は一度始まってしまうと休憩まで中に入れないこと・外に出られないこともあります。

    遅刻してしまった時は休憩までロビーで待たなければならない場合もありますので、時間には余裕を持つようにしましょう。

    まとめ

    ディズニーのアニメーション映画にバレエ版、ミュージカル版と、どれも人気のある『アラジン』。

    それぞれの違いを見つけるのも楽しみの1つですね。

    また、馴染みのあるストーリーなので他のバレエ作品よりも観やすいのでバレエ鑑賞デビューにもオススメです。

    『アラジン』の世界がどのように舞台で表現されているのか、観てみたいという方もぜひ、バレエ版やミュージカル版を観に行ってみてくださいね!

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  3. 華やかさと大人な雰囲気が魅力『パキータ』のあらすじとヴァリエーションを徹底解説!!

    華やかな衣装に大人っぽい雰囲気のヴァリエーションが多い『パキータ』

    コンクールや小作品集で見かける機会も多く、一度は踊ってみたいヴァリエーションと憧れている方も多いのではないでしょうか。

    そんな『パキータ』ですが、全幕公演は珍しく、あらすじや登場人物など実はよく知られてない場合も。

    今回は『パキータ』のあらすじや登場人物、登場するヴァリエーションまで徹底解説していきます!!

    気になる方は参考にしてみてくださいね!!

    『パキータ』について知ろう!!

    独特の華がある『パキータ』はフランスで作られた作品です!!

    まずは、『パキータ』の概要や登場人物について紹介します。

    『パキータ』の概要

    『パキータ』 (Paquita) は、1846年にフランスで作られた全2幕3場のバレエ作品です。

    原振付はジョゼフ・マジリエ、音楽はエドゥアール・デルデヴェス。

    舞台はナポレオン軍占領下のスペインで、ジプシーの娘パキータがフランス軍将校リュシアンを陰謀から救う恋物語となっています。

    民族色あふれるスペイン風の踊りやジプシーの踊りが見せ場の1つとなっており、若きマリウス・プティパがロシアで初めて演出を手がけた作品としても知られています。

    初演は1846年4月1日にパリの帝室音楽アカデミー(現在のオペラ座)で行われました。

    今日ではプティパ版の抜粋(音楽はレオン・ミンクス)が1幕の作品として上演されることが多いですが、まれに全幕公演が行われることもあります。

    登場人物

    『パキータ』には個性豊かな人物が登場します。

    主な登場人物の一覧をご覧ください。

    ・パキータ(ジプシーの美しい娘・実は貴族の娘)

    ・リュシアン・デルヴィリ(フランスの伯爵・パキータに恋をする)

    ・イニゴ(ジプシーのリーダー、パキータを自分のものにしようとする)

    ・ドン・ロペス(スペイン人の地方監督、フランス人をよく思っていない)

    ・コント・デルヴィリ(リュシアンの父)

    主役はジプシーの娘として育てられたパキータです。

    フランス軍将校リュシアンとの恋物語がストーリーの主軸となっています。

    『パキータ』全2幕のあらすじを知ろう!!

    全幕公演が珍しく、実はそのストーリーはあまり知られていないのが『パキータ』

    しかし、あらすじを理解しておくことで役の表現がしやすくなりますね。

    『パキータ』の第1幕と第2幕のあらすじを紹介していきます。

    『パキータ』第1幕のあらすじ

    舞台はサラゴサ郊外の谷間。

    デルヴィリ将軍と息子のリュシアン、総督ロペス、ロペスの妹セラフィナらが集まっていました。

    戦役で権力者となったデルヴィリ伯爵は、息子を総督の妹と縁組させようとしていますが、リュシアンは愛情を感じないセラフィナとの結婚には気乗りしていない様子。

    ロペスもまた自国に攻め込んできたフランス人たちを心密かに憎んでいました。

    その時、イニゴの率いるジプシーの一団が山から下ってきます。

    この中にジプシーらしからぬ雰囲気のパキータがいました。

    リュシアンは一瞬で彼女に惹きつけられますが、一方でイニゴ(ジプシーのリーダー)も以前からパキータに好意を抱いていました。

    そのため、リュシアンに対して激しく嫉妬するイニゴ。

    2人は衝突しそうになりますが、総督のとりなしで何とかその場は収まります。

    イニゴがリュシアンに敵意を抱いていることを見てとった総督ロペスは、イニゴを雇ってリュシアンを暗殺する計画を思いつきます。

    『パキータ』第2幕のあらすじ

    シーンはジプシーの集落。

    パキータは昼間に出会った将校リュシアンが忘れられず思い悩んでいます。

    そこへ、仮面をつけたロペスとイニゴが現れたことで、リュシアン暗殺の計画を知ってしまったパキータは驚き、なんとか計画を阻止したいと考えます。

    やがてリュシアンがやってきて、食事と一緒に毒が入ったお酒を渡されます。

    パキータはなんとかリュシアンにお酒を飲ませないようにし、パキータの様子がおかしいことにリュシアン気づきます。

    そして、パキータは一瞬の隙をついてイニゴとリュシアンのお酒を入れ替えました。

    すると、毒入りのお酒を飲んでしまったイニゴは倒れこんでしまいます。

    その隙に、2人は逃げ出しその場を後にするのでした・・。

    上手く逃げ出すことができた2人はフランス将軍主催の舞踏会に参加します。

    そこにはイニゴとリュシアン暗殺計画を企てたロペスがいました。

    パキータがロペスに気づいたことで、ロペスは連行されていきます。

    リュシアンは自分の命を救ってくれたパキータに求婚しますが、パキータはどうしても身分の差が気になってしまいます。

    そんな時、壁に飾られた肖像画がパキータの目に入ります。

    その肖像画はパキータが幼い頃からずっとつけていたロケットペンダントの中の肖像画と同じものだったのです!

    その肖像画の人物はリュシアンの叔父であるシャルル・デルヴィイーでした。

    実はパキータはシャルル・デルヴィイーの娘で、リュシアンとはいとこ同士であることが判明しました。

    パキータの身分が明らかになり身分の差がなくなった2人は晴れてめでたく結ばれます。

    『パキータ』に登場するヴァリエーションはいくつある!?ヴァリエーションまとめ

    実は『パキータ』に登場するヴァリーションの数は正確には決まっていません。

    プティパのオリジナルの演出ではパキータのヴァリエーションは7つとなっていましたが、再演や改訂が繰り返される中でヴァリエーションが追加や変更されていきました。

    その影響もあり現在では、数多くのパターンのヴァリエーションが踊られています。

    『パキータ』に登場するパ・ド・トロワとヴァリエーションについて紹介します。

    『パキータ』に登場するパ・ド・トロワ

    パ・ド・トロワとは女性2人と男性1人が踊ることです。

    『パキータ』に登場するパ・ド・トロワ の一覧は下記の通りです。

    ・パ・ド・トロワ 第1ヴァリエーション(パ・ド・トロワの中の女性が踊るヴァリエーション)

    ・パ・ド・トロワ 第2ヴァリエーション(パ・ド・トロワの中の女性が踊るヴァリエーション)

    ・パ・ド・トロワ 第3ヴァリエーション(パ・ド・トロワの中の男性が踊るヴァリエーション)

    『パキータ』のパ・ド・トロワに登場するヴァリエーションは発表会やコンクールで見かけることが多い人気のものとなっています!

    『パキータ』に登場するヴァリエーション

    ヴァリエーションの数が多いのも『パキータ』のみどころの1つです!

    全幕公演は珍しく、公演によって演出も異なり登場するヴァリエーションも様々な場合があり、使用されている曲も様々な作品から引用されています。

    『パキータ』に登場する可能性の高いヴァリエーションの一覧を紹介します!

    ※カッコ内はヴァリエーションに使用される音楽です。

    ・第1ヴァリエーション(リッカルド・ドリゴ作曲の「泉」)

    ・第2ヴァリエーション(チェーザレ・プニ作曲の「ナイアードと漁夫」)

    ・第3ヴァリエーション(リッカルド・ドリゴ作曲の「カウンダウル王」よりニシアのヴァリエーション)

    ・第4ヴァリエーション(「ドン・キホーテ」よりキューピットのヴァリエーション)

    ・第5ヴァリエーション(ニコライ・チェレプニン作曲の「アルミードの館」)

    ・第6ヴァリエーション(『パキータ』よりエトワールのヴァリエーション)

    ・第7ヴァリエーション(ユリー・ガーバー作曲の「トリルビ」)

    ・第8ヴァリエーション(『パキータ』よりリュシアンのヴァリエーション)

    ・第9ヴァリエーション(『パキータ』 よりエカテリーナ・ヴァーゼムのバリエーション)

    『パキータ』特に有名・人気のヴァリエーション

    上記で紹介したヴァリエーションの中でも特に有名で人気のあるヴァリエーションについて詳しく解説します。

    ヴァリエーション選びの参考にしてみてくださいね!!

    • ・パ・ド・トロワ 第1ヴァリエーション(パ・ド・トロワの中の女性が踊るヴァリエーション)

    回転系のテクニックから跳躍系のものまでまんべんなく入っているのがこのヴァリエーションです。

    そのため、ヴァリエーションを踊る初心者にもオススメです。

    曲の早さもそこまで早くないので練習しやすいでしょう。

    • ・第6ヴァリエーション(『パキータ』よりエトワールのヴァリエーション)

    コンクールや発表会で良く目にする『パキータ』の有名なヴァリエーションは第6ヴァリエーション(エトワール)です。

    バレエダンサーには階級があり最高位はプリンシパルといわれていますが、パリ・オペラ座ではエトワール(フランス語で星の意)と称されています。

    このことからパキータ第2幕で結婚の喜びを表すソロの踊りは「パキータ エトワール』のヴァリエーションと呼ばれています。

    • ・第8ヴァリエーション(『パキータ』よりリュシアンのヴァリエーション)

    男性の主役であるリュシアンのヴァリエーションは難易度の高いテクニックが組み込まれており中級者以上向けのレベルとなっています。

    『ドン・キホーテ』のバジルにも似たコンビネーションで前半は跳躍系、後半は回転系の動きで構成されているので、まんべんなくテクニックをこなす必要があります。

    バレエ公演について

    日本ではバレエの公演に行くことはまだあまり馴染みがないかもしれません。

    そのため、敷居が高いと感じてしまうことも多いようです。

    しかし、実際は案外気軽に行けるものです。

    バレエ公演の基本について紹介しますので、「バレエ公演に行ってみようかな」という方は参考にしてみてください。

    バレエ公演のチケット

    バレエの公演に行くには、まずチケットが必要です。

    チケットの価格はオーケストラ付きの生演奏と、そうでない場合か日本のバレエ団か海外のバレエ団か、全幕公演か※ガラ公演かによって価格は変わります。

    ※ガラ公演とは各作品から抜粋されたパ・ド・ドゥや小作品を集めた公演のことです。

    • チケットの価格

    チケットの価格は大体が3.000円から20,000円くらいの場合が多いです。

    • チケット(座席)の種類

    座席は指定になっておりS席、A席、B席、C席のように分かれています。

    会場にもよりますが、S席、A席は1階、B席、C席は2階や3階ということが多いです。

    1階席は舞台が近く、ダンサーや衣装、舞台の背景など間近で舞台の細かいところまで観ることができます。

    2階や3階席も舞台が遠くなってしまいますが、上から見えるので舞台の全体を観ることができるので意外とオススメです。

    バレエ公演を観に行く時の服装

    実は日本国内のバレエ公演ではドレスコードは決まっていません。

    そのため、スーツやドレスなど普段よりドレスアップする必要はありません。

    バレエ鑑賞は非日常を味わえる機会なので、せっかくなら少しおしゃれをして行くことをオススメします。

    • オススメの服装

    男性 ジャケット、シャツ

    女性 ワンピース、スカート(パンツスタイルでもOK)

    お子さま (女の子)ワンピースやスカート(男の子)襟付きのシャツ、ポロシャツ等

    ※マストではありませんが綺麗めな服装がオススメです。

    • 持っていると便利なもの

    ・オペラグラス

    ダンサーの表情や衣装等といった細かい部分も見ることができます。

    ・ブランケット

    会場内は空調が効いている場合が多く、夏には冷房が強く感じることもありますのでブランケットがあると肌寒く感じる時にも安心です。

    ・A4サイズが入るバッグ

    プログラムを購入したり、他の舞台のチラシをいただいたりするので、それらを入れられるA4サイズのバッグがオススメです。

    これらのものは必須ではありませんが、持っていると便利なものですので参考にしてみてくださいね。

    バレエ公演の鑑賞中マナー

    バレエ鑑賞はマナーに厳しいイメージもあるかもしれません。

    しかし、基本的に意識したいのは「他の観客の邪魔をしないこと」です。

    具体的には下記のことに気をつけます。

    ・上演中に客席を出入りしない

    ・上演中にしゃべらない

    ・物音を立てないようにする

    ・スマートフォンなどの電子機器の操作(上演中は電源をオフにするのが安心です)

    ・客席での飲食

    ・身を乗り出して見ること(後ろの人が見えにくくなってしまうため)

    バレエの公演は一度始まってしまうと休憩まで中に入れないこと・外に出られないこともあります。

    遅刻してしまった時は休憩までロビーで待たなければならない場合もありますので、時間には余裕を持つようにしましょう。

    まとめ

    発表会や小作品集では第2幕の舞踏会の様子のみが描かれていることが多く、全幕公演は珍しい印象です。

    しかしながら、まれに全幕公演が行われる場合も・・。

    その際にあらすじやみどころを把握しておくことで見逃しがなく、より『パキータ』を楽しめそう!!

    たくさんのヴァリエーションが登場しますので、何のヴァリエーションを踊るか考え中の方にもぴったりの演目となっています。

    » 続きを読む

  4. ダイナミックで勇ましいバレエ作品『海賊』の全幕を徹底解説!

    バレエ作品の1つである『海賊』はヴァリエーションや短編集などではよく耳にしますが、実は全幕のストーリーを知らないという方も多いかもしれません。

    最近では日本でも『海賊』を全幕上演するバレエ団も増えたので、全幕公演を観れる機会も多くなりました。

    今回は『海賊』のあらすじやみどころ、登場するヴァリエーションなどを紹介します。

    『海賊』のヴァリエーションを踊ってみたい、『海賊』の全幕公演を観に行く予定の方などは参考にしてみてください!!

    『海賊』について知ろう!!

    『海賊』は他の三大バレエやロマンティックバレエ作品とは違った、ダイナミックでワイルドな雰囲気のあるバレエ作品です。

    まずは、『海賊』の概要や登場人物について紹介します。

    『海賊』の概要

    『海賊』(かいぞく、仏: Le Corsaire) は、 アドルフ・アダンの作曲したバレエ音楽、およびそれを用いたバレエ作品です。

    ギリシア独立戦争に参加した、イギリスの詩人ジョージ・ゴードン・バイロンによって1814年に長編物語詩 『海賊』 をもとに作られました。

    台本はジョゼフ・マジリエとジュール=アンリ・ヴェルノワ・ド・サン=ジョルジュ、振付はジョゼフ・マジリエ。

    後にチェーザレ・プーニ、レオ・ドリーブ、リッカルド・ドリゴ、レオン・ミンクスらによる楽曲が追加され、近年の舞台では1899年にマリウス・プティパにより振り付けられた改訂版をベースとすることが多いです。

    初演は、1856年1月23日、パリ・オペラ座で行われ、主役のメドーラとコンラッドは、それぞれカロリーナ・ロザティとドメニコ・セガレッリが演じました。

    登場人物

    『海賊』には数々の個性豊かな人物が登場します。

    主な登場人物の一覧をご覧ください。

    ・メドーラ(ギリシアの美しい娘)

    ・コンラッド(海賊の首領(かしら))

    ・ランケデム(奴隷商人でメドーラやギュリナーラ達を奴隷として売買する)

    ・パシャ(トルコ総督で女奴隷たちを集めてハーレムにし、美女を何人も夫人にしている)

    ・ビルバント(海賊でコンラッドの手下)

    ・アリ(コンラッドの忠誠な奴隷)

    ・ギュリナーラ(ギリシアの美女でメドーラと仲良し。奴隷市場に出さてしまう)

    メドーラやギュリナーラのヴァリエーションはコンクールなどでも多く踊られているので名前を聞いたことがある人も多いでしょう。

    『海賊』第1幕

    『海賊』はバレエ作品では珍しく男性ダンサーが多く登場する作品でもあります。

    第1幕では海賊とその手下や、ギリシャの美女など物語に重要なポジションの登場人物が次々に登場します。

    『海賊』第1幕のあらすじやみどころ、登場するヴァリエーションを紹介しますので、見逃しのないようにチェックしておきましょう!!

    『海賊』第1幕のあらすじ

    ストーリーは海賊の領主コンラッド率いる海賊船が嵐に巻き込まれ沈没するプロローグから始まります。

    コンラッド(海賊の首領)とビルバント(コンラッドの手下)、アリ(コンラッドの奴隷)はギリシャに面した地中海の浜辺に流れ着きます。

    3人は偶然通りかかったギリシャの娘、メドーラとギュリナーラに助けられます。

    このことがきっかけでコンラッドとメドーラは恋に落ちるのでした。

    しかし、そこへトルコ兵がやってきてメドーラたちは捕らえられてしまい、奴隷市場へと連れ去られてしまいます。

    コンラッドたちはメドーラたちを助けようと決心します。

    奴隷市場では奴隷商人のランケデムが集められた奴隷たちを売り買いし活気に溢れています。

    トルコ総督のパシャは、自分の宮殿に招き入れるための美しい美女を探しに奴隷市場を訪れます。

    そこで、美しいギュリナーラが競りにかけられているのを一目見たパシャはギュリナーラをすぐに競り落とします。

    続いて、メドーラが競りに出されるとパシャは彼女の美しい容姿に魅了され、どんな価格でも手に入れる決心をします。

    そこへやってきた商人に扮したコンラッドは「さらに高値で引き取る」と申し出ます。

    その高すぎる値段に、パシャはコンラッドの正体を怪しみます。

    正体がバレそうになったコンラッドは、自ら正体を明し、その混乱に紛れてメドーラと女奴隷たちを救い出し、奴隷商人のランケデムを連れて姿をくらまします。

    『海賊』第1幕のみどころ

    バレエ作品では女性ダンサーがメインであることが多いですが『海賊』の場合は男性ダンサーがメインとなりストーリーが展開されます。

    また、奴隷市場ランケデムと売りに出されるギュリナーラのグラン・パ・ド・ドゥが踊られます。

    日本では「奴隷のパ・ド・ドゥ」とも呼ばれることもあり、短編集を集めたガラ公演や発表会などでも人気です。

    『海賊』第1幕のヴァリエーション

    『海賊』では第1幕から多くのヴァリエーションが登場します。

    『海賊』第1幕に登場するヴァリエーション一覧は下記の通りです。

    ・メドーラのヴァリエーション

    ・※オダリスクの第1ヴァリエーション

    ・※オダリスクの第2ヴァリエーション

    ・※オダリスクの第3ヴァリエーション

    ・ランケデムのヴァリエーション

    ・ギュリナーラのヴァリエーション

    男性ダンサーが多い中、女性ダンサー3名のオダリスクは華やかで美しいです。

    ぜひチェックしてみてください!

    ※オダリスクとは女性の奴隷のことで、3人のダンサーによるパ・ド・トロワの踊りです。 アントレ・第1〜第3ヴァリエーション・コーダ の一連の踊りとなっています。

    『海賊』第2幕

    第1幕に引き続き、海賊たちや奴隷商人が物語を牽引します。

    ドキドキの展開から目が離せない第2幕!

    『海賊』第2幕のあらすじやみどころ、登場するヴァリエーションを紹介しますので、見逃しのないようにチェックしておきましょう!!

    『海賊』第2幕のあらすじ

    海賊たちの潜む洞窟では、海賊たちがメドーラたちを助け出したことを祝って宴が行われています。

    メドーラはランケデム(奴隷商人)に一緒に捕まっていた女奴隷の解放をお願いします。

    しかし、コンラッド以外の海賊は全員反対します。

    海賊たちの反対を押し切り、女奴隷たちを解放してあげるコンラッド。

    このことがきっかけでコンラッドに不満を抱いたビルバンド(コンラッドの手下)はランケデムと共謀しコンラッドに罠を仕掛けます。

    メドーラに睡眠薬を振りかけた花束を渡し、何も知らないメドーラは友人たちを救ってくれたお礼にとコンラッドにその花束を渡してしまいます。

    コンラッドはぐっすりと眠りについてしまい、ビルバンドはコンラッドを殺害しようと試みます。

    そのことに気づいたメドーラは抵抗しますが、この混乱に乗じてランケデムはメドーラを捕まえ洞窟から逃げ出します。

    『海賊』第2幕のみどころ

    第1幕に引き続き男性ダンサーがストーリー展開のメインとなっています。

    特に第2幕の「海賊の潜む洞窟」の場面では海賊たちのダイナミックで勇ましい踊りを観ることができます!!

    また、コンラッド、メドーラ、アリによるパ・ド・トロワもこの場面で踊られますので見逃さないようにしましょう!

    『海賊』第2幕のヴァリエーション

    『海賊』第2幕では前述のコンラッド、メドーラ、アリによるパ・ド・トロワによる、それぞれのヴァリエーションが登場します。

    下記は『海賊』の第2幕に登場するヴァリエーションの一覧です。

    ・アリのヴァリエーション

    ・メドーラのヴァリエーション

    ・コンラッドのヴァリエーション

    『海賊』第2幕では海賊たちの踊りの他にも、男性のヴァリエーションがみどころの1つ。

    男性で何のヴァリエーションを踊ろうか考えている方も参考になりそうです!

    『海賊』第3幕

    今までのダイナミックで勇ましい雰囲気とは一転、美しい花園のシーンに目を奪われます。

    また、コンラッドとメドーラはどうなってしまうのか・・。

    その結末から目が離せません!

    『海賊』第3幕のあらすじやみどころ、登場するヴァリエーションを紹介します!!

    『海賊』第3幕のあらすじ

    場面はパシャ(トルコ総督)の美しい女性たちを集め花園が築かれた宮殿。

    パシャは奴隷市場で見つけたギュリナーラの踊りに満足していましたが、他の女性たちからは不満を持たれていました。

    そんな中、奴隷商人のランケデムがメドーラを連れてやってきます。

    メドーラが自分の元に戻ったことを喜ぶパシャ。

    上機嫌になっているパシャは、メッカへの巡礼へ向かう一向に「一晩泊めて欲しい」と頼まれ快諾します。

    しかし、実は彼らの正体はメドーラたちを救いにきたコンラッドたちだったのです!

    パシャの隙をついたコンラッドはメドーラたちを救出し、海賊船に乗り込みます。

    新たな旅に向けて出発した海賊たちでしたが、船は嵐に遭遇し沈没してしまいます。

    コンラッドとメドーラだけが奇跡的に助かることができ物語は終わりを迎えます。

    『海賊』第3幕のみどころ

    第1幕と第2幕では男性ダンサーがメインで活躍し、冒険や勇ましい踊りが繰り広げられましたが、第3幕では美しい花園シーンが登場します。

    その美しさはクラシックバレエらしく、ロマンティックな雰囲気です。

    踊りも男性たちによる勇ましいものとは打って変わり、優雅で美しい女性の踊りやヴァリエーションが披露されます。

    『海賊』第3幕のヴァリエーション

    第3幕のパシャの花園では女性ダンサーのヴァリエーションが登場します。

    下記は『海賊』の第3幕に登場するヴァリエーションの一覧です。

    ・ギュリナーラのバリエーション

    ・メドーラのバリエーション

    『海賊』は同じシーンでもバレエ団によって異なるヴァリエーションが披露されることも多いです。

    それぞれの違いを楽しむのも『海賊』を観る楽しみかもしれませんね。

    バレエ公演について

    日本ではバレエの公演に行くことはまだあまり馴染みがないかもしれません。

    そのため、敷居が高いと感じてしまうことも多いようです。

    しかし、実際は案外気軽に行けるものです。

    バレエ公演の基本について紹介しますので、「バレエ公演に行ってみようかな」という方は参考にしてみてください。

    バレエ公演のチケット

    バレエの公演に行くには、まずチケットが必要です。

    チケットの価格はオーケストラ付きの生演奏と、そうでない場合か日本のバレエ団か海外のバレエ団か、全幕公演か※ガラ公演かによって価格は変わります。

    ※ガラ公演とは各作品から抜粋されたパ・ド・ドゥや小作品を集めた公演のことです。

    • チケットの価格

    チケットの価格は大体が3.000円から20,000円くらいの場合が多いです。

    • チケット(座席)の種類

    座席は指定になっておりS席、A席、B席、C席のように分かれています。

    会場にもよりますが、S席、A席は1階、B席、C席は2階や3階ということが多いです。

    1階席は舞台が近く、ダンサーや衣装、舞台の背景など間近で舞台の細かいところまで観ることができます。

    2階や3階席も舞台が遠くなってしまいますが、上から見えるので舞台の全体を観ることができるので意外とオススメです。

    バレエ公演を観に行く時の服装

    実は日本国内のバレエ公演ではドレスコードは決まっていません。

    そのため、スーツやドレスなど普段よりドレスアップする必要はありません。

    バレエ鑑賞は非日常を味わえる機会なので、せっかくなら少しおしゃれをして行くことをオススメします。

    • オススメの服装

    男性 ジャケット、シャツ

    女性 ワンピース、スカート(パンツスタイルでもOK)

    お子さま (女の子)ワンピースやスカート(男の子)襟付きのシャツ、ポロシャツ等

    ※マストではありませんが綺麗めな服装がオススメです。

    • 持っていると便利なもの

    ・オペラグラス

    ダンサーの表情や衣装等といった細かい部分も見ることができます。

    ・ブランケット

    会場内は空調が効いている場合が多く、夏には冷房が強く感じることもありますのでブランケットがあると肌寒く感じる時にも安心です。

    ・A4サイズが入るバッグ

    プログラムを購入したり、他の舞台のチラシをいただいたりするので、それらを入れられるA4サイズのバッグがオススメです。

    これらのものは必須ではありませんが、持っていると便利なものですので参考にしてみてくださいね。

    バレエ公演の鑑賞中マナー

    バレエ鑑賞はマナーに厳しいイメージもあるかもしれません。

    しかし、基本的に意識したいのは「他の観客の邪魔をしないこと」です。

    具体的には下記のことに気をつけます。

    ・上演中に客席を出入りしない

    ・上演中にしゃべらない

    ・物音を立てないようにする

    ・スマートフォンなどの電子機器の操作(上演中は電源をオフにするのが安心です)

    ・客席での飲食

    ・身を乗り出して見ること(後ろの人が見えにくくなってしまうため)

    バレエの公演は一度始まってしまうと休憩まで中に入れないこと・外に出られないこともあります。

    遅刻してしまった時は休憩までロビーで待たなければならない場合もありますので、時間には余裕を持つようにしましょう。

    まとめ

    女性、男性ともにコンクールや発表会でよく見かける『海賊』のヴァリエーション。

    『海賊』自体、ヴァリエーションの多い作品ですので「何を踊るか迷っている」という方は必見です。

    男性ダンサーが多く登場し、メインでストーリー進行していきますので、バレエをしている男の子や男性も参考になることが多いでしょう!

    ぜひ、この機会に『海賊』の全幕公演を観てみてくださいね!

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