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ロマンティク・バレエの代表作!「ジゼル」の全幕を徹底解説!

パリ・オペラ座にて初演されたロマンティック・バレエの代表作『ジゼル』。

現在では世界中で上演されているバレエ作品です。

死後の世界が描かれるなど衝撃的な設定ですが、幻想的な世界観は観るものを引き込みます。

今回は『ジゼル』のあらすじやみどころを徹底解説します!

『ジゼル』について

『ジゼル』は1841年にパリ・オペラ座で初演されました。

『ジゼル』を発案し構想を考えたのは、詩人で作家でもあるテオフィル・ゴーティエです。

舞踊評論家でもあったゴーティエは、ハインリヒ・ハイネの著作『ドイツ論』に登場する民間伝承に着想を得て、バレエの台本を書こうと考えました。

その民間伝承の内容は「結婚前に死んだ若い女たちが「ウィリ」という幽霊になり、生前手に入らなかったダンスの喜びを味わうために若い男を捕まえて死ぬまで踊らせる」というものでした。

パリ・オペラ座での初演が成功を収め、ミラノ・スカラ座(イタリア)やニューヨークなどで上演されました。

パリ・オペラ座での上演が途絶えたのちはロシアで継承されるなど、現在まで語り継がれロマンティック・バレエの代表作となっています。

※ロマンティックバレエとは・・・文学・芸術において流行したロマン主義の影響を受けて1830年代〜1840 年代に最盛期を迎えたバレエのスタイル及び作品のことです。

登場人物

『ジゼル』には数々の魅力的な人物が登場します。

主な登場人物の一覧をご覧ください。

・ジゼル (村娘)
アルブレヒト(身分を隠して村人を装っているが実は公爵)
バティルド(アルブレヒトの婚約者)
・ヒラリオン(森番の青年でジゼルに想いをよせている)
・クルランド大公
・ベルト(ジゼルの母親)
・ミルタ(妖精ウィリの女王)

『ジゼル』全2幕

『ジゼル』は全2幕と他のバレエ作品に比べ短いように思いますが、第1幕は村で開催されているブドウの収穫祭の様子、第2幕は精霊ウィリたちが登場する死後の世界が表現されるなど他のバレエ作品にはない雰囲気を味わうことができる作品です。

幕ごとのあらすじやみどころを紹介していきますので、これから『ジゼル』を観られる方は参考にしてみてくださいね。

『ジゼル』第1幕

『ジゼル』第1幕のあらすじやみどころ、踊られるヴァリエーションを紹介します。

  • 《あらすじ》

舞台は中世ドイツのとある村。

病弱ながら踊りが好きなジゼルはアルブレヒトと恋人同士。

しかし、アルブレヒトは身分を偽っており、本当は公爵という身分です。

ジゼルに想いをよせている森番のヒラリオンアルブレヒトを疑い、その正体に疑念を抱いています。

村ではブドウの収穫祭が行われ、収穫祭の女王にジゼルが選ばれジゼルは村人たちと楽しそうに踊ります。

病弱なジゼルを案じたベルト(ジゼルの母)はジゼルに踊りに夢中になっていると、死後に精霊ウィリとなって踊り続けることになってしまう」と伝説を語ります。

そして、クルランド大公とその娘のバティルドが狩りのために村を訪れました。

そこへヒラリオンが現れアルブレヒトは公爵であり、バティルドの婚約者であることも暴露してしまいます。

真実を知ったジゼルはショックのあまり、正気を失い命を絶ってしまいます。

  • 《みどころ》

病弱ながら健気に踊るジゼルの姿が印象的です。

しかし、第1幕最大のみどころはアルビレヒトに婚約者がいることを知ったジゼルの「狂乱の場」です。

実はこの「狂乱の場」では踊りの振り付けはなく、ジゼル役のダンサーの演技が重要な場面。

この場面では胸が痛くなる方や、ジゼルが命を落としてしまう場面では涙するという方も多いようです・・。

  • 《ヴァリエーション》

ペザントのヴァリエーション(収穫を祝う踊りで「ペザント」とは農民を意味します)

・ジゼルのヴァリエーション

・アルブレヒトのヴァリエーション

『ジゼル』第2幕

『ジゼル』第2幕のあらすじやみどころ、踊られるヴァリエーションを紹介します。

《あらすじ》

ジゼルのお墓がある森の夜。

女王ミルタが率いるウィリ(結婚を前にして死んでしまった若い乙女たちの精霊)たちが現れます。

ジゼルはお墓から呼び出されウィリたちに迎え入れられます。

そこへ、ヒラリオンとアルブレヒトはジゼルのお墓に現れます。

ウィリたちに捕まってしまったヒラリオンは踊らされた上に命を落としてしまいます。

女王ミルタの命令によりアルブレヒトも踊らされることに・・。

しかし、ジゼルはアルブレヒトの命を守ろうとかばいます。

やがて夜が明けて朝の鐘が鳴り響くと、ウィリたちとジゼルは姿を消します。

永遠の別れを告げ消え去ったジゼルのお墓の前にアルブレヒトは取り残されてしまいます。

《みどころ》

ウィリの女王であるミルタのソロは人間ではないことを思わせる振り付けとなっており、圧巻の存在感を放っています。

また、ウィリたちの踊りは精霊として個性を持たない設定であるため立ち位置、脚を上げる角度、顔の向きなど、全ての動きをぴったりそろえる必要があります。

一糸乱れぬウィリのコールド(群舞)は『ジゼル』のみどころの一つです。

また、ジゼルとアルブレヒトのパ・ド・ドゥは死後の世界であることから重量を感じさせないリフトがウィリとなってしまったジゼルを表しています。

ミルタやウィリたちからアルブレヒトを守ろうとするジゼルの姿も涙を誘います。

《ヴァリエーション》

・ウィリの女王ミルタのソロ(厳密にはヴァリエーションではなくソロ)
・ジゼルのヴァリエーション
・アルブレヒトのヴァリエーション

バレエ公演について

日本ではバレエの公演に行くことはまだあまり馴染みがないかもしれません。

そのため、敷居が高いと感じてしまうことも多いようです。

しかし、実際は案外気軽に行けるものです。

バレエ公演の基本について紹介しますので、「バレエ公演に行ってみようかな」という方は参考にしてみてください。

バレエ公演のチケット

バレエの公演に行くには、まずチケットが必要です。

チケットの価格はオーケストラ付きの生演奏と、そうでない場合か日本のバレエ団か海外のバレエ団か、全幕公演か※ガラ公演かによって価格は変わります。

※ガラ公演とは各作品から抜粋されたパ・ド・ドゥや小作品を集めた公演のことです。

  • チケットの価格

チケットの価格は大体が3.000円から20,000円くらいの場合が多いです。

  • チケット(座席)の種類

座席は指定になっておりS席、A席、B席、C席のように分かれています。

会場にもよりますが、S席、A席は1階、B席、C席は2階や3階ということが多いです。

1階席は舞台が近く、ダンサーや衣装、舞台の背景など間近で舞台の細かいところまで観ることができます。

2階や3階席も舞台が遠くなってしまいますが、上から見えるので舞台の全体を観ることができるので意外とオススメです。

バレエ公演を観に行く時の服装

実は日本国内のバレエ公演ではドレスコードは決まっていません。

そのため、スーツやドレスなど普段よりドレスアップする必要はありません。

バレエ鑑賞は非日常を味わえる機会なので、せっかくなら少しおしゃれをして行くことをオススメします。

  • オススメの服装

男性 ジャケット、シャツ

女性 ワンピース、スカート(パンツスタイルでもOK)

お子さま (女の子)ワンピースやスカート(男の子)襟付きのシャツ、ポロシャツ等

※マストではありませんが綺麗めな服装がオススメです。

  • 持っていると便利なもの

・オペラグラス

ダンサーの表情や衣装等といった細かい部分も見ることができます。

・ブランケット

会場内は空調が効いている場合が多く、夏には冷房が強く感じることもありますのでブランケットがあると肌寒く感じる時にも安心です。

・A4サイズが入るバッグ

プログラムを購入したり、他の舞台のチラシをいただいたりするので、それらを入れられるA4サイズのバッグがオススメです。

これらのものは必須ではありませんが、持っていると便利なものですので参考にしてみてくださいね。

バレエ公演の鑑賞中マナー

バレエ鑑賞はマナーに厳しいイメージもあるかもしれません。

しかし、基本的に意識したいのは「他の観客の邪魔をしないこと」です。

具体的には下記のことに気をつけます。

・上演中に客席を出入りしない

・上演中にしゃべらない

・物音を立てないようにする

・スマートフォンなどの電子機器の操作(上演中は電源をオフにするのが安心です)

・客席での飲食

・身を乗り出して見ること(後ろの人が見えにくくなってしまうため)

バレエの公演は一度始まってしまうと休憩まで中に入れないこと・外に出られないこともあります。

遅刻してしまった時は休憩までロビーで待たなければならない場合もありますので、時間には余裕を持つようにしましょう。

まとめ

ペザントやジゼルの踊りは発表会やコンクールで踊られることが多い有名なバリエーション。

ジゼルは高度なテクニックだけでなく感情の表現も求められる高度なヴァリエーションとなっています。

そのため全幕観ておくことで、よりジゼルの感情を理解できそうですね。

興味がある方はぜひ、ジゼルの全幕を観てみてくださいね。

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